• 前田俊明

    「1551」
  • 女のあかり

    女のあかり

    咲いた花には その花の涙もあれば 意地もある人も同じね つらくても消しはしません 女のあかりどんな苦労も のりこえてあなたひとすじ 尽くしたい嘘も飾りも ない人が時代となぜに すれちがうそんなあなたに 惚れぬいて陰でささえる 女のあかり命ひとつに かさねあい耐えた嵐の 夜いくつまわり道して つまづいてしあわせきっと つ...
  • 想い出ねだり

    想い出ねだり

    愛することは出来るけど 愛され方がわからない優しくされればされるほど 嘘だと思うの誰も信じずに生きるのは きっと自分を守るため信じてみても裏切られ 泣くだけだから欲しいの 欲しいの 想い出が欲しいの欲しいの 欲しいの あなたが欲しい想い出を 積み上げて崩れる心 支えるのひとりで生きるそのために 勝気な女演じてるほんとは...
  • かなしい女

    かなしい女

    指に絡んだ さだめの糸を首にまわして 死なせてよお酒は女の いのちの水よ恨んだ日々を 流すほどどうか呑ませて 今夜だけ呑んでも呑んでも酔えない かなしい女無茶な生き方 叱ってくれたあなた優しい ひとでしたお酒は女の 助けの水よ涙が枯れた こんな夜はどうか呑ませて あびるほど呑んでも呑んでも泣けない かなしい女針のむしろ...
  • ちぎれ雲

    ちぎれ雲

    寂しいだけなら いいのです移り香残して くれるならお願い心はひとつだと 約束してよねえ どんなに愛しても 愛されて抱かれてもこの恋のあしたは 風の中ゆれてるどこへ流れてゆくの この私 あー ちぎれ雲涙があと引く 日の暮れはいつでも隣りに いてほしいこの世の果てまで離れずに 甘えていたいねえ どんなに見つめても 見つめら...
  • 美子のダンチョネ節

    美子のダンチョネ節

    三浦岬で ドンと打つ波はネかわいお方のサ 度胸だめし ダンチョネ泣いてくれるな 出船の時にゃネ沖で櫓櫂がサ 手につかぬ ダンチョネあの日別れて 来た町の潮の匂いが なつかしいあなた逢いたい こんな夜(よ)は月が鏡に なれば良い桜花びら 肩に散りゃ胸の慕(おも)いが 舞い上がる後ろふり向きゃ 朧月ついて来るよな 春の夜松...
  • ふるさと母さん

    ふるさと母さん

    まっ赤な夕陽も お山の向こう渡り鳥さえ ねぐらへ帰る季節の花咲く 里山は私が生まれて 育った故郷(ふるさと)よ逢いたいなぁ 逢いたいよ母さんに…お祭り終って 風向き変わり山はそろそろ 雪降る頃かみの虫みたいに 腕のなか毛布にくるまり 聴いてたわらべ唄恋しいなぁ 恋しいよ母さんが…ぽっかり浮かんだ 流れる雲に乗って帰ろか...
  • 望郷恋歌

    望郷恋歌

    冷たい北風 耐えてきたあの山峰にも もうすぐ春が来る逢えたら うれしい 想いの人に三味を弾く手に 面影ゆれる届けこの歌 アイヤ節あの日の誓いも 今はまだはたせず 二年の 月日が過ぎました夕焼け 指切り 初恋の里三味を弾く手の 小指があつい響けこの歌 アイヤ節涙の数だけ 強くなれ気持ちは前ぞと 教えてくれた人まぶたに希望...
  • 父さんの帽子

    父さんの帽子

    箪笥(たんす)の上の 色褪(いろあ)せたフェルトの帽子 父さんの形見駄じゃれや冗談 大好きで蕎麦がきつまんで 二合のお酒頑固だけれども あったかいあなたに会いたい もう一度さんさ踊りや 秋まつりおさない頃の 思い出は今も…父さん子だった せいかしらいつでもどこでも 帽子と一緒大きな手のひら ぬくもりとあなたの笑顔を 忘...
  • 春恋のれん

    春恋のれん

    花も遅咲き 北国だからいつも心は 冬景色せめて指先 だけでもいいのあなたあなた やさしく てのひらで寒いだろうと 暖めて酒も人肌 春恋のれんわざとお猪口に 口紅つけてひとり呑んでた ふりをする肩と背中が さみしい夜はあなたあなた 上衣(うわぎ)を 着せかけて夢をつつんで ほしいのよ名残り雪降る 春恋のれん白い徳利を 一...
  • 風の小僧

    風の小僧

    北の大地を 我がもの顔で風の小僧が 吠えている根雪かぶった その下で春の芽吹きを 待っている何時かかならず 世の中の人目引くよな 花に成る山に若葉の 顔出す頃は風の小僧が ほほなでて寒さ過ぎれば うれしさに唄い出すのさ うぐいすもめげず進めば 誰だってきっと芽の出る 時が来る夏の陽射しに 汗かきながら風の小僧が 去って...
  • 寿 祝い節

    寿 祝い節

    夢を咲かせた 華燭(はな)の宴鶴と亀とが 舞い踊る惚れて娶(めと)った 花嫁ならば共にいたわり 仲睦まじく祈る親心(こころ)の 祝い節愛の白無垢 高島田ほんに綺麗な 晴れ姿目出度目出度の 三三九度は縁(えにし)結んだ 両家の絆千代に八千代に 祝い節恵比寿 大黒 宝船並ぶふたりは 夫婦雛金波銀波の 荒波越えて永遠(とわ)...
  • 夢見坂

    夢見坂

    頼る人さえ なくした街で涙ぐらしが 身についたそんなおんなが 愛しいとやさしく抱いたひとひとり坂から ふたり坂越えてゆきます 夢見坂出逢う前から 知ってたように胸がやすらぐ 私です今日の髪型 似合うよと照れてるその笑顔なさけ坂から のぞみ坂越えてゆきます 夢見坂まわり道した 人生だからおれが倖せ やると云う他の愛など ...
  • 寒緋桜

    寒緋桜

    寒緋桜は 春告げ花です花びら広げず 咲いているあの人しあわせと うわさを聞きました思い出を 思い出を優しく包んで いるようなわたしに似合いの こころ花どんな時でも 明日を信じて真っ直ぐ生きてく つもりですこの夢叶います うれしい花ことば寂(さみ)しさに 寂しさに出会った時には 迷わずにあなたの笑顔に 逢いに来る春は名の...
  • 筑波の風

    筑波の風

    筑波おろしは わたしの命男まさりの 生みの親どんな苦労も はねのける負けず嫌いの あばれ風吹いて 吹いて吹いて咲かせる 夢の花筑波山(つくばやま)から 眺めた海は怒涛(どとう)逆巻(さかま)く 鹿島灘(かしまなだ)鬼が怒(おこ)ると 書いて読む川は鬼怒川 母の川意地を 意地を意地を通して 流れます筑波大地は 紬(つむぎ...
  • ぽつり、湯河原

    ぽつり、湯河原

    ぽつりぽつりと 灯りがともるゆるい坂道 寄り添って誘い誘われ ちいさな旅が握る手と手で 揺れている海を背にして おまえを見つめ夜の帳(とばり)が 湯河原にぽつりぽつりと 語らいながら初心(うぶ)な仕草に はにかんで差しつ差されつ ほろ酔うほどに浴衣姿が もどかしい酒をこぼして おまえを見つめ夜の帳が 湯河原にぽつりぽつ...
  • メルボルン特急

    メルボルン特急

    流れる雲の 影追い越して風になるのさ 荒野の風に許すことなく 忘れておくれつづく線路は オーストラリア別れの言葉 汽笛に変えて走り始めた メルボルン特急あの頃見てた 夢など捨ててひとりぼっちを どこへと運ぶ憎んでもいい しあわせになれ季節なくした 砂漠の大地夕陽が沈む その先目指し走りつづける メルボルン特急十字の星を...
  • おんな舟

    おんな舟

    人の優しさ 沁み通る渡る世間の おんな舟誰もが一人じゃ つらいのよ心寄せ合い 生きて行く夢を失くさず どこまでも流れ流れて 情け川好きなだけでは 結ばれぬ泣いて別れる 恋の舟本気で愛した 人だから悔いはしません 怨まない水に揺れます 面影が流れ流れて なみだ川明日(あす)のことさえ わからない命あずける おんな舟笑顔で...
  • 人生天国

    人生天国

    そうさ人生 夢まつりかつぐ命の 大神輿(おおみこし)七つ転んで また起きて徳利(とくり)まくらに 我慢酒人生天国 笑えば天国前向き 上向(うわむ)き 飲もうじゃないか…捨てる神ありゃ 拾う神泣いちゃいけない 男なら真実(まこと)いちずに 歩いたら明日(あす)に希望(のぞみ)の 花も咲く人生天国 笑えば天国前向き 上向き...
  • べらんめえ

    べらんめえ

    ちょいとおきゃんで 器量(きりょう)よし口の悪さが 玉に傷惚れて焦がれた 人なのに好きと言えずに 意地を張るさぁさぁ さぁさぁ 野暮はおよしよ べらんめえ切った啖呵(たんか)に エェ…花が散るどこで借りたか この蛇の目傘の出どころ 気がもめる噂聞いては またほろり逢えぬ今宵の おぼろ月さぁさぁ さぁさぁ 野暮はおよしよ...
  • 淡雪牡丹

    淡雪牡丹

    はらはら舞い降る 雪の中小さく芽生(めば)えた 恋ひとついのち一途に 愛されてこころ赫(あか)々 燃やしても冷たい世間の 木枯らしよ冬の花です… 淡雪牡丹指折り数えて 逢える日は着物の色彩(いろ)にも 迷います倖せやれず ごめんねと自分ひとりを 責めるけどおんなの想いは 七重八重(ななえやえ)夢の花です… 淡雪牡丹蛇の...