• 前田俊明

    「1551」
  • 磐越西線

    磐越西線

    会津平野が 窓に広がる北へ向って 列車は走るのあなたの 住んでいる 町を訪ねて みたくなり磐越西線に 乗ってひとりで 旅に出たあの人の町なら わたしにもふるさと夢にまでみた 笑顔がゆれますふたり離れて 生きて来たけどそれは哀しい 運命(さだめ)のいたずら喜び 多い方(ほう) それがこの町 喜多方ね磐越西線は やがて日暮...
  • おんなの倖せ

    おんなの倖せ

    女の倖せ いつかはきっと来る日を信じて そっと耐えてきた泣かせてくれますか あなたのその胸で夢を一輪 咲かせてくれたあなたに寄り添い 甘えていいですか女の倖せ あなたで知った優しく抱かれて 頬染めた夜信じていいですか 変わらぬこの愛を生きる喜び 教えてくれたあなたに人生 預けていいですか女の倖せ 愛した男(ひと)と苦労...
  • ふたりの夜汽車

    ふたりの夜汽車

    石より痛い 噂の礫(つぶて)逃(のが)れて来ました ふるさとを世間を捨てて 過去を捨て汽車を乗り継ぐ 北の駅あなた後悔 してないですか汽笛ひと声 ふたりの夜汽車二人の膝に コートを広げあなたに寄り添い つなぐ指私がそっと 身を引けば丸く収まる はずでした心細さに 震える夜ふけ頬に涙の 最終夜汽車命を重ね あなたと生きる...
  • 女のみれん

    女のみれん

    笹の葉ゆれる 湯舟の窓にしとしとそぼふる こぬか雨わたしが泣いて あなたがわらういつかこうなる さだめだと知っていながら ばかよね女のみれん手鏡のぞき うす紅ひけば綺麗といわれた 素肌ですおんなが泣いて 男がわらう思いきれない だめなのよだって今でも 好きなの女のみれんせつない恋を あきらめきれずしくしく痛むの この胸...
  • 花菖蒲

    花菖蒲

    上手に生きてる つもりでいても人生晴れのち 曇りです紫の 花菖蒲真っすぐに背筋 伸ばしてるこころ尽くしを 私からあなたへ袖振り合うも 多生の縁でしあわせこの手に 咲いてます紫の 花菖蒲末永くどうぞ よろしくねいつも笑顔を 私からあなたへ女の苦労は 言えないものよ背負った荷物は 俺が持つ紫の 花菖蒲吹きわたる風も ゆるや...
  • 蜻蛉の恋

    蜻蛉の恋

    この世に生れて この世に生きて女は短い 惜春(はる)に咲くめぐり逢っては いけない人にすべて投げ捨て 尽くしても運命 儚い 蜻蛉(かげろう)の恋愛する深さを 測れるならば心を切り取り 見せるけどふたつ枕に 泪(なみだ)の添い寝乳房(むね)の痛さが 苦しさが逢瀬 儚い 蜻蛉(かげろう)の恋憂(う)き世の河原に 小石を積ん...
  • さいはて慕情

    さいはて慕情

    宗谷岬は 春まだ遠く浜辺に寄せる 流氷の軋む音さえ 心を乱す末枯れた原野 サロベツは夕日に色づき 風の中恋しさ募(つの)る 利尻富士霧にだかれた ノシャップ岬胸を裂くよな 荒波よカモメ泣くよな 波止場の灯り未練の涙 頬伝う別れの明日を 知らないで面影ゆれる 礼文島凍る大地で 添えない人に熱い気持ちを 伝えたい愛するあな...
  • 立待月

    立待月

    夜毎に姿を 変える月男の心の 移り気かもしかあなたが 戻るよで手鏡(かがみ)をのぞいて 紅を引くどうぞ返して 女の夢を立待月は 涙月両手に包んだ 幸せがこぼれていました 知らぬまに広い背中に 寄り添って甘えたあの日は 幻か信じられない 別れた今も立待月は 未練月何度も何度も あきらめてあきらめきれない 私です浮かぶ面影...
  • ひとり止り木

    ひとり止り木

    思い出酒場の 止り木で今夜もひとりで 飲んでますお店の灯りも 小さな椅子も変わらぬままです あの頃と別れて何年 過ぎたでしょうか心に風が 吹いたままですわがまま言っては 困らせた悔んでみたって 遅すぎるこぼれるため息 あなたの夢も今ならわかって やれるのにあれから何年 過ぎたでしょうか心がいつも 寒いままです何度か恋し...
  • 遠きふるさと

    遠きふるさと

    夏の終りの花火を見上げ想い出すのは笑顔の君さ巷(まち)の暮しに目処さえつけば明日(あした)と云わず今すぐに逢いに行く 夜汽車に乗ってあゝ遠き ふるさとよわざと零(こぼ)した徳利の酒にうかぶ姿はきまって君さ左手酌も目処さえつけば直ると思う そのうちに恋しいよ 家路の灯あゝ遠き ふるさとよ秋の夜嵐 これ幸いに叫ぶ名前はやっ...
  • 心の道

    心の道

    いくつもの夢があり いくつかの花が咲いた私も一人の旅人この道でよかったと いつの日か言えるように笑顔で生きてゆく愛する人よ 悲しい夜は抱きしめてほしい 私を心の道は 果てないけれど今日と言(ゆ)う日を 歩いてゆくだけ心の道に 季節はめぐる遠い青空 探しつづけて移りゆく時の中 ふりむけば風が変わる私の歩いてきた道父からは...
  • 泣かないでくれ

    泣かないでくれ

    AH 甘いリズムが流れAH 夜に身体をあずけAH 影がかなしく揺れるきらめきが まぶしくて まぶたを閉じた泣かないでくれ 心残して今夜終わる ふたりだけれど泣かないでくれ 燃える出逢いを振り返って 微笑んでAH 薄いガラスのようなAH 恋のかけらを拾いAH 今も愛してるのにざわめきに 声さえも まぎれて消える泣かないで...
  • めおと桜

    めおと桜

    一と一とが 寄り添いあえば合縁奇縁の めおと花嵐の中でも 月日は過ぎるついて行きます あなたの夢にしあわせ探して 歩くふたり道もうすぐですね…桜が咲くのも今年もあなたと花見酒…なんてね母の言葉は 心のささえおんなの生き方 道しるべ幼いわたしに 歌ってくれた遠い昔の あの子守唄ぬくもり重ねて 渡るきずな橋三十路苦労を な...
  • 男どうし

    男どうし

    交わす目と目に 言葉はいらぬ互いにわかるさ 腹のうちくやし涙も 我慢もあるさ後で笑えば いいじゃないか男どうしが男どうしがいのちを燃やし希望(のぞみ)遥かな 道をゆく他人(ひと)を恨めば 我が身にかえる自分を信じて 歩くだけ勝った負けたは 二の次だけどあとにゃ引けない 意地もある男どうしが男どうしがやるぞと決めて仰ぐ夜...
  • 兄弟酒場

    兄弟酒場

    とかくこの世は ままにはならぬそんな男達(おとこ)が 暖簾をくぐる愚痴や涙は グラスの酒に捨てて今夜は 飲もうじゃないか兄弟酒は兄弟酒は熱い情けの 契り酒おまえ惚れたか 横丁のあの娘俺も惚の字さ 看板娘時代遅れの 似た者同士俺はいいから 倖せつかめ兄弟酒は兄弟酒は背なで身をひく 譲り酒昇る朝陽は 誰にも来るさ自棄(やけ...
  • 鴨川なみだ雨

    鴨川なみだ雨

    あなたをどこかで 見かけても声はかけない 約束でした後ろ姿の 懐かしさ心震える 大橋(はし)の上…愛した人は あなただけ頬にひとすじ 鴨川なみだ雨飛び石渡って 向こう岸二人暮らせる 夢みたわたし願いかなわぬ つらい恋泣いて別れた 祇園町…信じた人は あなただけにじむ思い出 鴨川なみだ雨水鳥せせらぎ 流れ水掬(すく)いき...
  • 恋してマンボ

    恋してマンボ

    きらめくライトに 紙吹雪目と目が合えば ときめく心ひとつステップ 踏むたびに高鳴る胸が せつなくて恋してマンボ あなたとマンボヒール鳴らして ひと踊り夢見てマンボ 二人でマンボ帰りたくない 今はまだカクテル飲みほし 寄り添えば指先までも あなたに染まる汗のしずくが 揺れるたびはじける笑顔 まぶしくて恋してマンボ あなた...
  • 愛すれど哀しく

    愛すれど哀しく

    濡れながら 待っていたのかこんなにも 肩が冷たいしのび逢う ふたつの影がかさなれば 夜明けもちかい手鏡でかくしてる 涙のあとよあー あー 愛すれど哀しくお荷物ね つらいでしょうとうつむいた 白い衿足このままで 幸せなのとおくれ毛が ふるえてゆれたいけないと知りながら お前を泣かすあー あー 愛すれど哀しくしのび逢う 二...
  • 生命のブルース

    生命のブルース

    好きよ好きなの 信じているのだからお願い すてないであなたなしでは 生きてはゆけぬ恋が女の いのちなのたとえこの身は うらぶれようと好きなあなたの ためならば死ねと云われりゃ 死んでもいいわそれがわたしの さだめなのあなた一人が 生甲斐(いきがい)なのになんでわたしを 泣かせるの離れたくない いついつまでもせめていのち...
  • きかせてよ愛の子守唄

    きかせてよ愛の子守唄

    足音だけで あなたとわかる扉にかけよって ドアを開けるのやさしい顔が ほほえみかけていつものぬくもりが 肌をつつむわ帰りの心配なんか わすれてくださいわたしのことだけいまは みつめてくださいきかせてよ 愛の子守唄 きかせてよ 愛の子守唄ダブルのベッドに ひとり寝る女のためにふたつのからだ ふたつのいのちひとつに重ねても...