• 前田俊明

    「1551」
  • 父子の誓い

    父子の誓い

    俺の出発(かどで)を 祝った夜に強いおやじが こぼした涙あとはお前の 出番だと固い誓いの 酒くみかわしゃ熱い父子(おやこ)の 血が通う若いうちなら やり直せるさ生命(いのち)燃やして 立ち向かえ惚れたはれたは 二の次さ母の笑顔が 心の支え汗と我慢の 男意気苦労 辛抱 自分の宝迷うばかりの 世の中だけど親の背中が 道しる...
  • 愛は蜃気楼

    愛は蜃気楼

    遠い…遠い想い出 紡いでもそれは…それはむなしい 蜃気楼ひとり芝居 もうやめて恋にピリオド 打ちましょう馬鹿ですね 馬鹿ですねああ今夜も また泣きぬれて泣いて 泣いて 泣いて待って 待って 待って夢のつづきを 見ている愛は陽炎 恋は嘘つき涙に滲む 蜃気楼ふたり…ふたり暮らした この部屋は今も…今もあの日の そのままそう...
  • 男の忠臣蔵

    男の忠臣蔵

    時は元禄 春弥生積もる遺恨の 吉良(きら)殿にもはやこれまで この我慢松の廊下の 刃傷(にんじょう)に哀れ浅野(おとこ)の 桜(はな)が散る殿の無念を 晴らしてと涙浮かべる 遥泉院(おくがた)に今宵大事の 討ち入りを胸に畳んだ 内蔵之助(くらのすけ)永(なが)の暇(いとま)の 南部坂江戸は師走の 寒空に響く山鹿流(やま...
  • 心機一転

    心機一転

    やるぞやるぞと 力(りき)んでみても何もしなけりゃ 昨日のままさ今日の口惜しさ その涙バネにするから 明日(あす)がある心機 心機一転夢に賭けよう 人生勝負楽にゃ渡れぬ この世だけれど厚い氷も 春には溶ける胸に刻んだ 大志(こころざし)何で忘れて なるものか心機 心機一転決めたこの道 信じて生きる晴れて故郷に 錦をかざ...
  • 秋桜の宿

    秋桜の宿

    すきなお酒で 酔わされてくずした膝には 月のかげあなたって あなたって あゝ悪いひと逢いたいときだけ 呼びよせる信濃路 いで湯の 秋桜の宿こんなちいさな 襟ぼくろおぼえているのね いつまでも抱かれても 抱かれても あゝやるせないまくらのよこには 千曲川瀬音が 泣いてる 秋桜の宿背中あわせで ねむってもいいのよ男と 女で...
  • 一筆まいらせ候

    一筆まいらせ候

    逢いたくて死にそうよ 思いの丈を一筆 あなたに まいらせ候夜ながのこの秋が わたしを焦(じ)らしますもう これ以上 待てませぬどなたに移り気 されたのですか…単衣(ひとえ)から袷(あわせ)へと 着がえた季節帯ひも しめれば やつれて候なみだと裏腹に ほむらがまた燃えてこころが あつい 息を吐くせつなさ恋しさ おわかりで...
  • 別府航路

    別府航路

    だったら どうして 抱いたのよお酒のせいとは あまりじゃないの涙があふれて あと追う波止場一生だまして 欲しかった…別府航路は お別れ出船恋を恋を忘れて 旅立つところだったら どうして 呼んだのよひとことさよなら 言うためなんてあの日のあなたの 言葉に賭けて東京みかぎり 来たものを…別府航路の 最終便は夢の夢のつづきを...
  • 御無沙汰しました故郷さん

    御無沙汰しました故郷さん

    りんごみたいな 夕陽の色に風も染まった 日本海駅に降りれば かもめがお出迎えつんつん津軽の 港町御無沙汰しました 故郷さん会いに来ました 想い出におさな馴染みは 散りぢりだけど今も面影 ここに居る藍い浴衣の この胸ときめいたつんつん津軽の 夏祭り御無沙汰しました 故郷さん会いに来ました 初恋に岩木お山に 積もった雪もあ...
  • 蒲公英

    蒲公英

    風に吹かれて 綿毛の種が海を越え 花になり大地をいつしか 故郷(ふるさと)に変える たんぽぽ寂しさや 人恋しさは路傍の花の 宿命(さだめ)です強く生きましょう 時には誰かがじっと見つめて くれるでしょう強く生きましょう あなたのとなりにそっと咲いてる たんぽぽ夢をみた日は 遠くになって春の風 めぐるたびやさしさ健気さ ...
  • 十六夜舟

    十六夜舟

    乗せて下さい 十六夜舟に月の岸辺に 葦(あし)の葉がゆれる愛をためらう 心と心いいの私は かまわないあなただけです この命漕いで下さい 十六夜舟を寄せるさざ波 情けの夜風はなさないでね このままずっと罪な女と いわれてもあなたなしでは 生きられぬ明日(あす)のあてない 十六夜舟に霧にかすんだ はるかな灯り遠くはなれて ...
  • 指輪

    指輪

    指にくいこむ 想い出よりも今夜はやさしい あなたが欲しい指輪 グラスに 投げ入れりゃ抱いて抱いてと 浮き沈みきりもみしながら 身を焦(こ)がすあの日私に めかくしさせて指に通した おもいで指輪涙ぐんだら 抱き寄せてとても似合うと うなずいたあなたを信じて 燃えた夜思い切ろうと はずしたはずの指輪にあなたが キラリと光る...
  • 花しのぶ

    花しのぶ

    薄紫の 夕暮れに小さく花びら 震えています心細さに 泣いたってこの胸の この灯り 消さずに生きる…たとえ人目に 触れずとも命咲かせます 花しのぶこの手の中の ささやかな幸せ続くと 信じていたの恋にはぐれて しまっても好きでした あの人が 今でも今も…涙しずくに 濡れながらひとり咲いてます 花しのぶ人の情けに 寄り添って...
  • 美子のおはら節

    美子のおはら節

    <ハ ヨイヨイ ヨイヤサット>花は霧島 たばこは国分(こくぶ)燃えて上がるは オハラハァ桜島<ハ ヨイヨイ ヨイヤサット ヨイヨイ ヨイヤサット>見えた見えたよ 松原越しに丸に十の字の オハラハァ帆が見えた<ハ ヨイヨイ ヨイヤサット ヨイヨイ ヨイヤサット>おんな心の 操立(みさおだ)て燃える未練を この胸に抱いて見...
  • 三味線ブギ

    三味線ブギ

    三味線ブギーでシャシャリツシャンシャンさあさ 踊ろよブギウギうきうきういたういたよシャシャリツ シャンシャン踊るあほに 踊らぬあほだよ同じあほなら 踊らにゃそんだよさあさ 猫もしゃくしもブギウギハ、チョイトブギウギ三味線ブギーでシャシャリツシャンシャンさあさ 踊ろよブギウギ好き好きハローベイビーシャシャリツシャンシャン...
  • 酒なさけ

    酒なさけ

    夢のにがさに 耐えきれず今夜もお酒に 逃げるひと身体をこわすわ もうやめてこんな私で 良かったらあなたのささえに なりたいの酔えば強がり 云うけれど本当は誰より 淋(さみ)しがり私に遠慮は いらないわ明日(あす)が遠くに 見える夜(よ)は眠ってください 膝まくら苦労するよと 他人(ひと)はいう私がいなけりゃ 駄目なのよ...
  • 春よ来い

    春よ来い

    あなたと連れ添い 生きてくためにそうよ生まれて きたのです冬の寒さも 世間の木枯(かぜ)も耐えてゆけます ふたりなら春よ来い 早く来い幸せつれて 春よ来いおんなはいつでも 取り越し苦労それをやさしく 叱るひと夢は五分咲き これからだけど通うぬくもり 暖かさ春よ来い 早く来い微笑みつれて 春よ来いあなたは私の 陽だまりだ...
  • 仕事の宿

    仕事の宿

    親父(おやじ)お袋 達者でいるか昨晩(ゆんべ)も夢見た 故郷(ふるさと)の季節はずれの 雪が舞う田舎育ちで 馴れた身も寒さ堪(こた)える 仕事(たび)の宿春にゃ帰ると 残した里の女房子供が 気にかかる離れ離れの 辛い日々ひとり手酌で 呑む酒もじんと沁みるぜ 仕事の宿苦労七坂 越えたら先に待っているんだ 幸福(しあわせ)...
  • 雨の奥飛騨路

    雨の奥飛騨路

    啼いて飛び立つ 雷鳥の声もさびしい 山の駅逢う瀬せつなく いのちを燃やし今朝は別れて 行く人よいかないでいかないで 雨の奥飛騨路逢えばうれしい 人だけどつらい別れを 連れてくる夜に浮かんだ 赤ちょうちんで夢を注がれて 飲むお酒いかないでいかないで 雨の奥飛騨路体ひとつで もどれたらここでおまえと 出直そうそんな言葉に ...
  • 水月

    水月

    たとえあなたに愛されていても私ひとりの人ではないからいつも別れの予感におびえながら暮らしていたわ風の匂い忘れた都会(まち)で水に映った満月を眺めうしろ姿に涙をながす月の光を両掌ですくえば指に触れるものは悲しみばかり今はひとり 泣いていたいサヨナラだけが人生と あなたは言うけど…好きとあなたに抱きしめられた日白い窓からコ...
  • お父う

    お父う

    お父うナーヨー 帰って来やれ故里(くに)の津軽を 忘れたか逢いたさ辛さで 身もやせる手紙書くにも わからぬ居場所早くナーヨー肩を寄せ合い 暮らそじゃないかお父うナーヨー 帰って来やれいろりかこんで 温まろや心配ばかりが 先にたつたった五人の 家族じゃないかお父うナーヨー風に吹かれて 飲んではないかお父うナーヨー 帰って...