前田俊明
「1551」浪花恋人情
あんな権太(ごんた)と 世間は言うがなにが他人に わかるというのひとの難儀を 見ぬふりできず道頓堀(はま)の芝居を 地でゆく あんた…惚れたよしみで 一緒に転び苦労 苦労買います 浪花恋人情野崎参りは 屋形船でまいろ… まいろね…冬と思えば また春が来て河岸も横丁も 菜の花ざかり愚痴を言う間に 熱燗つけて夢の続きを 見...北の哀歌(エレジー)
身の丈ちかく 雪が降る故郷は 線路(みち)の果て九年(くねん)数えた 都会(まち)の暮らしに別れを告げるベルが鳴る後ろ髪引く 思い出ならば胸のすき間に埋めりゃいいさ軋(きし)む明日に 身をゆだね北へ北へ、北へ北へ…揺られる夜汽車失くしたものは 青き夢やるせない 恋ひとつ涙浮かべた 白い横顔俺には出来(すぎ)た女(ひと)...