木下龍太郎
「337」男の花道~玄碩と歌右衛門
舞台は役者の 命でも捨てねばならない 時がある義理ある方の 頼みなら芝居の幕を 降ろしても行かにゃならない 男道「皆々様に この歌右衛門 一生のお願いがございます。狂言中半(なか)ばではございますが、私めが一生かけても返せない、恩ある方の死ぬか生きるかの瀬戸際でございます。私が行かねば、その方は腹を切らねばなりませぬ。...赤垣源蔵・徳利の別れ
一升徳利を 手土産に雪降る中を 饅頭笠これが今生の 別れなら酒で敷居は 高けれど兄をたずねる 暇乞い(セリフ)義姉上さま 赤穂浪人呑んべえのこの赤垣源蔵やっと仕官が叶い、お別れに参上致しました。兄上がお留守とあらば、そこに掛った小袖を兄上と思い、別れの酒を一献傾けとうござりまする。人は一代 武士はその名を惜しめ 末代も...出逢いを求めて~十和田湖へ~
人はどうして 北にあこがれ人はどうして 旅に出るのか流れる雲の 地図をたよりに私もまた 北を旅する愛する人との 出逢いを求めてああ 十和田湖の 湖畔の乙女にああ その人に 逢える日祈りたい人はそれぞれ 北にやすらぎ人はそれぞれ さがしつづける名もない花に 道をたずねて私もいま 北をさすらう愛する人との 出逢いを求めてあ...